2025年3月2日に開催された東京マラソン2025。
注目された学生エース・太田蒼生選手の挑戦、大迫傑選手の走りにも注目が集まりましたが、
レース直前に大迫選手が欠場。
さらに太田選手も途中棄権という波乱の展開となりました。
そんな中、日本人トップに輝いたのは、静かにチャンスを狙っていた市山翼選手(サンベルクス)でした。
東京マラソン2025男子結果まとめ
東京マラソン2025も世界陸上2025代表選考に直結するレースとして注目を集めました。
特に2時間6分台の好記録が続出し、日本男子マラソンのレベルアップを感じさせる展開となりました。
この章では、日本人トップとなった選手の結果と、日本人上位選手の記録をまとめて解説します。
日本人トップは市山翼!2時間6分0秒で日本歴代9位
市山翼選手(サンベルクス)が日本人トップとなり、自己ベストを1分41秒更新する2時間6分0秒の好記録をマークしました。
これは日本歴代9位のタイムであり、世界陸上2025代表選考基準(2時間6分30秒以内)も見事にクリア。
レース後には「自分が日本人1位とは、ゴールするまでわからなかった」と、驚きのコメントを残しています。
市山翼選手はレース中盤まで目立たない位置にいましたが、後半にかけて徐々に順位を上げ、見事に日本人トップの座をつかみ取りました。
また、市山翼選手は2月9日に開催された第53回全日本実業団ハーフマラソンでも、1時間0分22秒の好タイムで優勝。
この記録は日本歴代8位となり、昨年の丸亀ハーフマラソンで出した自己ベスト(1時間1分11秒)を大幅に更新していました。
フルマラソン前哨戦とも言えるレースで好結果を残し、その勢いのまま東京マラソン2025でも大きな飛躍を遂げた形です。
日本人上位6選手とタイム一覧
東京マラソン2025では、2時間5分台こそ出なかったものの、2時間6分台の好記録を4人がマーク。
さらに、日本人上位6選手のうち4人が自己ベストを更新するなど、近年の日本男子マラソン界のレベルの高さを改めて示す結果となりました。
特に、日本人トップの市山翼選手(サンベルクス)は2時間6分0秒の自己ベストで堂々のフィニッシュ。
2位の井上大仁選手(富士重工)、3位の浦野雄平選手(富士通)、5位の丸山竜也選手(トヨタ自動車)も、それぞれ自己ベストを更新するなど、全体的にハイレベルな争いが繰り広げられました。
以下に、日本人上位6選手の結果一覧をまとめます。
日本人順位/全体順位 | 選手名 | 所属 | 記録 |
1位(10位) | 市山翼 | サンベルクス | 2:06:00(自己ベスト) |
2位(12位) | 井上大仁 | 三菱重工 | 2:06:14(自己ベスト) |
3位(13位) | 浦野雄平 | 富士通 | 2:06:23(自己ベスト) |
4位(14位) | 池田耀平 | Kao | 2:06:48 |
5位(15位) | 丸山竜也 | トヨタ自動車 | 2:07:06(自己ベスト) |
6位(17位) | 赤﨑暁 | 九電工 | 2:07:48 |
注目選手たちのレース展開と結果
東京マラソン2025では、世界陸上2025代表選考を見据え、太田蒼生選手(青山学院大学)をはじめとする注目選手たちがそれぞれの戦略でレースに臨みました。
太田蒼生選手は日本人1位を狙った攻めのレース、その他の選手は後半勝負を意識した堅実な走りと、それぞれの個性が光る展開となりました。
この章では、注目選手たちのレース内容と結果を振り返ります。
太田蒼生|日本人1位を狙った攻めの走り、無念の途中棄権
東京マラソン2025で最も注目を集めていた太田蒼生選手(青山学院大学)。
レース前から「たれるかもしれないけど、突っ込んでいく」と語り、日本人1位だけを狙った覚悟のレースに挑みました。
その言葉通り、スタート直後から果敢に飛び出し、25kmまでは堂々とトップグループの一角を占める積極的な走り。
しかし、25kmを過ぎてから失速が始まり、28kmで第二集団に吸収され、徐々に遅れる展開に。その後、36km地点で無念の途中棄権となりました。
結果は悔しいものになりましたが、勝負をかけて挑んだ太田蒼生選手の走りは、多くのファンの記憶に刻まれるはずです。
このレースの詳細や太田蒼生選手のコメントは、別記事で詳しく解説しています。
赤﨑暁|堅実なレースも終盤失速
赤﨑暁選手は序盤から第二集団につけ、安定した走りを見せました。
しかし、35km付近で浦野雄平選手に抜かれ、終盤は徐々にペースダウン。
結果、日本人6位に終わり、2時間7分48秒という記録に。
世界陸上の選考基準(2時間6分30秒)には届かず、選考レースとしては厳しい結果となりました。
池田耀平|日本人トップを守れず、終盤に失速
池田耀平選手は序盤から第二集団の一員として安定した走りを続け、40km付近までは日本人トップの位置をキープしていました。
しかし、終盤に入ると急激にペースダウンし、市山翼選手に抜かれると、井上大仁選手、浦野雄平選手にも次々とかわされる厳しい展開に。
結果は日本人4位、タイムは2時間6分48秒。
40㎞過ぎの大きな崩れが明暗を分ける形となり、最後の粘りに課題を残すレースとなりました。
井上大仁|後半追い上げで日本人2位に浮上、三菱重工の先輩の意地を見せる
井上大仁選手(三菱重工)は、序盤から第三集団でレースを進める冷静なレース運びを選択。
前を行く選手たちの動きを見極めながら、後半勝負に備える走りを見せました。
その狙い通り、37km付近で赤﨑暁選手をかわし、さらに40km付近では池田耀平選手を抜いて日本人2位に浮上。
最終的に2時間6分14秒の自己ベストを更新し、着実な成長を証明しました。
また、同じ三菱重工の後輩・近藤亮太選手が、先週の大阪マラソン2025で初マラソン優勝&2時間5分39秒の快記録をマークしたばかり。
この流れを受け、井上大仁選手もチームの先輩として意地を見せたレースとなりました。
浦野雄平|第二集団から粘りの3位
浦野雄平選手は20km付近まで第二集団に位置。
後半も大崩れせずに粘り続け、35km付近で赤﨑暁選手をかわして日本人3位に。
タイムも2時間6分23秒と選考基準をしっかりクリアし、世界陸上代表争いに名乗りを上げました。
世界陸上2025代表選考への影響
東京マラソン2025は、世界陸上2025男子マラソン代表選考の最終レースとして行われました。
今回の結果によって、代表選考基準を満たした選手や、今後の代表選考の流れが大きく注目されています。
この章では、選考基準を満たした選手の紹介と、代表選考に関する最新情報や今後のポイントについて解説します。
選考基準を満たした3名
東京マラソン2025の結果を受け、世界陸上代表選考基準(2:06:30)を突破したのは以下の3名です。
市山翼(サンベルクス) :2時間6分0秒
井上大仁(三菱重工) :2時間6分14秒
浦野雄平(富士通) :2時間6分23秒
この3選手は、代表選考の候補となります。
世界陸上2025男子代表選考|最終レース終了、選考基準と今後のポイント
東京マラソン2025をもって、世界陸上2025男子マラソン代表選考レースはすべて終了しました。
本来であれば、日本記録更新や日本人1位での代表内定も期待されましたが、今回は日本記録更新はならず。
さらに、日本人トップの市山翼選手が2時間6分0秒と好記録を出したものの、歴代の選考レースには2時間5分台や6分台前半の選手が多数いる状況です。
日本陸連が定めた5つの選考基準の中では、すでにJMCシリーズⅣチャンピオンの小山直城選手が優先順位2番目の基準で当確と見られます。
今回は「日本記録更新(基準3)」に該当者はなく、「参加標準記録突破(基準4)」を満たした選手から残りの枠が選ばれる見通しです。
この基準4では、2時間5分16秒の吉田祐也選手、2時間5分39秒の近藤亮太選手が有力候補となりますが、単純にタイム順では決まらないでしょう。
選考委員会ではレース内容や勝負強さ、安定感なども加味して総合的に判断されるため、今回の市山翼選手の走りがどこまで評価されるかにも注目が集まります。
- パリ2024で3位以内
- JMCシリーズⅣチャンピオン
- 選考期間内に指定の大会で日本記録を更新し、選考期間終了時点まで保持した選手
- 選考競技会で参加標準記録を突破した選手
- 参加資格を持ち、基準ワールドランキング上位の選手
※優先順位は上記の順番
まとめ:東京マラソン2025まとめ|市山翼選手が日本人トップ、代表選考は混戦に
- 市山翼選手が2時間6分0秒で日本人トップを獲得
- 太田蒼生選手は攻めの走りで挑むも無念の途中棄権
- 世界陸上2025代表選考は、市山翼選手を含む複数選手が候補に
東京マラソン2025は、波乱のレース展開の中で市山翼選手(サンベルクス)が日本人トップに輝きました。
一方で、注目された太田蒼生選手(青山学院大学)は果敢に攻めるレースを選択したものの、36km地点で無念の途中棄権。
世界陸上2025代表の最終選考レースとなった今回の結果を受け、市山翼選手を含む基準突破選手が代表候補として名前を連ねることになり、選考の行方にも注目が集まります。